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2012年01月13日

11月28日 「紀伊水道海峡横断」

朝五時に起き、「三十二歳のビジョンクエストだな」とつぶやいた。

まだ薄暗い海面を見つめ、ゆっくりと風や波に対してスイッチを入れていった。

ガンジス川を下っていた時も、こんな気持ちだったなと思う自分がいた。

四国はおろか伊島も見えなかったが出発準備を進めた。

六時半になったところで水平線のかなたにぼんやりと島影が見えた。

出発だ。





















大海原の中を一人ぼっちで浮かびながら、はるか縄文時代の航海に思いをよせていた。

彼らと同じ視点、同じ経験をしていることが嬉しかった。

僕は脳みその中だけで、縄文時代を語りたくなかった。

体感しなければ、それは空想だ。




さて、ちょっと真面目なお話。

海岸を離れ潮流の上に出ればしっかりとナビゲーションを取らなければいけません。

潮流、海流、風、大型船舶の航路を計算します。

真っ直ぐ目標に向かって漕いでいくと、行き着く先はまったく違うところになってしまいます。

しっかりと角度をつけて最後に目標地へホールインワンできるよう計算します。

距離が長ければ長いほど角度の違いが、後々に響いてきます。

伊島周辺などは、非常に潮の流れは速いです。

ナビゲーションをせずに、潮流に逆らう形になれば漕いでも漕いでも目的地へ着かないことになります。

また自然のエナジーは常に変化をしますので、最後までしっかりと海況を観察していくことも大事になります。

僕は臆病な側面をもっていて、計算よりいつも角度を水増しします。

トイレ時や大型船舶をやり過ごしている時など、

余裕があることで冷静に対処できるからです。








さて、そんなこんなで伊島が近づく。
















ここはカヤックに乗って、ずっと訪れたかった島だ。

蒲生田岬が近くに見えているが上陸することにした。

航海距離は二十五キロほどでしょうか。

四時間半のビジョンクエストでした。


ハロー伊島!!


明日に備えて細やかな風の変化をのがさないよう、風の通り道にテントを張る。

話し言葉も変わり、時空をこえて異国にきた感じだ。






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Posted by カツカヤック at 19:02紀伊水道横断