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2012年11月30日

10月26日 島根原発前を漕ぐ(海上からみた原発施設)



拒否反応もあるかと思いますが、原発のお話です。

原発は物理的に核施設である事を前回までに書いているのですが

知らない方もおられるかと思いますので、もう一度書きますね。

原発を動かすことによって、プルトニウムができます

これは自然放射性物質と人工放射性物質でいう、人工放射線を出します

人工放射線がなぜ危険なのかというと、

今までに無い物質である為に、人の身体に防御機能が備わっていない場合が多いからです

例えば骨髄液は骨で防御されていますが、人工放射線は骨を通過してしまうなどです。

また、プルトニウムは100万分の1グラムを吸引すると肺ガンを引き起こすと言われています。

これは6000人以上の被ばく者を治療されてきた医師である「肥田舜太郎先生」が言われていることです

僕は基本的に、現場で汗水涙を流している人の言葉を信頼します

プルトニウムは飲んでも大丈夫と言った「雇われ学者」は、もうメディアに顔を出していませんよね。

あの時に多くの有識者が、東京大学も終わりだなと呟いたことを覚えていますが、

既得権益と利権構造が確立している国の情報メディアは、そんなもんだと思っています。

自戒を込めて書きますが、メディアリテラシー能力を上げる事は自己防衛、家族防衛に繋がる時代になっているのではないでしょうか

過敏になりすぎて、精神の調子を崩す必要はないとは思いますが

せめて、高校生の道徳の授業に「メディアリテラシー」と「ジャーナリズム」を組み込んでみたらどうでしょうか

これからは、通信の時代。有望な人材が出てくるのではないかとも思います。





話しを元に戻してプルトニウムです。

世界最凶の猛毒と言われるプルトニウムの「プルート」とは、

地獄の冥王の名前から元素記号になりました

このプルトニウムの半減期は2万4千年とも言われているのですが、

簡単に書くと、原発を動かすとこの世界最凶の猛毒が生まれます

捨てる場所はありませんので、原発施設に溜まっていきます。

これがゴミ箱無き原発問題と言われるゆえんなのですが、

30年後ではなく、即時廃炉を望んでいる人達はこの問題も示唆しています。

六ヶ所の再処理工場、もんじゅの問題も含めて

全てにおいて、安全管理体制が整っていないからなのです。

廃炉技術を確立して、それを日本の新たな公共事業にとの言葉を耳にしたことがあるかと思いますが

それはそれで良いのですが、次世代に対しての倫理観もなく危ないことを始めた証拠でもあります。

もちろんGNP至上主義の時代であったとか、エネルギー資源面で植民地化の恐れがあったとの時代背景を含めてにおいてもです。

文明とは何かについては、別の機会に書かせて頂きますが、ここでは原発についてを書いていきます。

車でいうならば、ブレーキを用意せずに作られてしまったスポーツカーなのですが

どうしてこうなってしまったかというと

危機安全管理をする側が、権力とお金で買われてしまっていたのですね。

危ないってことを口に出来ない構図です。

テレビ局や新聞社もこれにグルになってやっていました。

原発事故以前は、日本社会はオール電化政策一色でしたよね。

そうなんです。

なぜなら電気は日常社会生活において、ほとんど全ての人が購入する商品だからです。

水と電気は絶対に売れるんです

本来は水と火は自然の物なのですが、買わなければいけないように社会構造ができているんですよね

こうして陸上の社会から少し離れて旅をしていると、そんな事をよく思います

この旅路の中でも様々な人と出会いました。


社会に嘆く人、自然エネルギーの利用を訴える人、少しでも多くの人が内部被曝しないように情報を発信する人、核理論武装の必要性を訴える人、九州に引っ越しをする人、福島に継続的に通いボランティアをする人、今を持っても自民党は山口県祝島に新規の原子力発電所を作ろうとしているのですが、それに反対する人、反対活動をして中国電力から何千万円単位で訴えられている人、玄界灘の離島で出会った人は、島と本土との間に橋ができるからとの理由で再処理施設の誘致を進める人もいました。

しかし、もんじゅなどは、作られてから一度も電気など発電していません。

あまりにも危なすぎて世界各国が手を出さなかった施設がもんじゅです。

そして、いつも思う事は、こんな物さえ無かったらということです。




それでは、僕の知っている情報をシェアさせて頂きます。

まず内部被曝ですが、放射線はDNAを壊します。

しかしDNAは破壊されても自動修復機能を持っています。

ですが、その修復をする再結合時に異常再結合が起こってしまいます。

これは、間違った細胞を作ってしまう事になります。

また、2本鎖切断された場合と細胞分裂の途中時では修復はできません。

両者においても、細胞分裂が盛んな子供ほどリスクを負うのはこの為です。

ヨウ素は甲状腺に溜まる性質がある為に、甲状腺癌や甲状腺機能障害を起こします。

天然ヨウ素と人工ヨウ素131の区別が身体にはできない為です。

ストロンチウムは骨に付きます。

骨髄癌や白血病などの危険性があります。ストロンチウムとカルシウムの違いが身体には区別できないからです。

セシウムは水溶性があるため、環境に広まりやすい性質があります。

骨、肝臓、腎臓、肺、筋肉に付きます。



「ベクレル」の言葉をよく聞くかとは思いますが、分かりやすくここで説明をしますね。

放射線が放出される単位なのですが、

放射性物質が一秒当たりに出す放射線の数です。

目に見えない矢が飛んでいると考えてくだされば分かりやすいかと思います。

この目に見えない矢がDNAを断裂させます。

1キログラム当たりに10ベクレルでしたら

一秒間に10本の矢が飛んでいると考えて下さい。

東北で第一次産業に従事されている方には、大変申し訳ないのですが

検出された物は食べない方がよいと、僕は考えています。

ただし、不毛と言われる大地に力強く種を蒔かれる姿勢に大いなる敬意を表します。

なんらかの形で元に戻すことができたらと切に願います。

想像を絶するような精神の苦しみの中で生活をされておられるのではないでしょうか。



人工放射性物質はまだまだあります。ウラン、キセノン、クリプトン、トリチウム、炭素14。

原発事故が起きなくても施設が稼働すれば、放射性物質は周りに飛散します.


玄海原発がある佐賀県玄海町では、子供の白血病の発症率が全国平均に比べて10倍以上高いことが政府の資料により分かってきました。

事故の反省を踏まえ、公の場に正しい情報を出す委員会ができる事を望みます.

今までのような、原発推進側の委員会では経営に不利な情報が出るはずはありません。

出るとしたらそれは漏れたのでしょう。









10月26日 島根原発前を漕ぐ(海上からみた原発施設)


大変に複雑な思いで島根原発の前を通った。

このような事を書いているが、僕にだって電力会社や建設会社で働く友人はいる。

現場の意見と会社側の意見は違うことだって分かっている。

だからこそ、こんな物さえ無ければと思う。












旅をして感じた事ですが

東海大地震に備える静岡育ちの僕として思うことは、山陰地方の防災意識の低さを感じる

なぜか津波が来ない場所であると思っている人もいる

防災の広報をしていない訳ではないと思うが、

有事が起こる事をここに書くことによって、少しでも一助になればとの思いで書かせて頂きます




1656年 明暦2年 大津波 滝の前千軒という集落が海中に没(静之窟より)

1676年 延宝4年 津和野地方大地震

1706年 宝永3年 出雲国大地震

1872年 浜田地震(M7、1)

1925年 北但馬地震(M6、8)

1927年 北但馬地震(M7、3)

1943年 鳥取地震(M7、2)

2000年 鳥取西部地震(M7.3)






地震や津波が起こることは自然の摂理なのですが、それに備えてリスクを減らすことはできるかと思います

どうか、愛する人や愛する故郷を守る一助になりますように願いを込めます。






最後になりますが、僕の見解を書かせて頂きます



世間の中では、放射能の言葉を聞くだけでも拒否反応を起こしてしまう人も出てきている

ネガティブな話題は日常の中では敬遠されがちであり、それは人世ともいえるのであるが

この問題を話しあうことはネガティブではない。

建設的な未来を語ることは、ポジティブである。

既得権益や利権構造が根強く確立してしまっている我が国において

戦後初めてとも言える国家滅亡危機を起こした東京電力原子力発電事故

当時の首相、菅直人も著書の中で書いているが、5千万人の避難など

どうしたらできるのだと、当時の苦悩を嘆いている


だけれども、僕が一番ビックリしたことは

地震でもなく、津波でもなく、原発事故でもなく(もちろんビックリしたけど。当時にいた小笠原にも津波は来ました)

変わらぬ世論であった。そう感じた人は僕だけではないと思う


この旅を初める数日前まで、僕は福島いた。

例の20キロ警戒線も見ている。どこかの大臣が死の街だと言ったが

その通りだと思った。何十ヵ国と世界の風景を見てきたが

まさか、自国であのような風景を見る事になるとは思わなかった

そのまさかを起こした原因の一つが、危機管理能力の低さである

自民党が進めてきた原発政策を民主党が尻拭いをした形になったのであるが

それを嘆いても避難区域内の16万人の方々は家に帰ることはできない

物理的な放射線量の問題もあるのだが、人が住まない家は早くに朽ちる。

この16万人の方々に対して、「さんざんお金をもらって良い思いをしてきた人達だ」

との意見を、旅をしていると聞く事があるが

ご都合主義に作り上げられた安全神話の被害者ではないのだろうか?








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